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 上達の為の実践講座
                                  星名久夫 
   
1、左手でご飯を食べよう

 このページを読んだたった今から、日常の動作を全て左手で行ってください。
パソコンのマウスもです。特に箸を左手に持ち食事をする事が大変有効です。
焼きそばとか量が多い内は何とかなりますが、残り少なくなってからは
かなり難しくなります。
日記とか、自分の為のメモでしたら、字も左手で書いてください。
効果はすぐに現れます。一週間か10日ではっきりと実感します。
楽器を始めたばかりの人程、その効果は如実に感じるはずです。
もともと左利きの人は、右手を使うようにします。
普段使わない側の不慣れな手を使うことにより、
右脳と左脳の連絡が良くなり、脳が活性化され、記憶力、俊敏性、注意力が
向上します。(日本テレビの平日昼の健康番組、思いっきりテレビより)
実際、私が右手を骨折して、左手で字を書いていた時に頭が良くなりました。
今となっては証明出来ず残念ですが・・。
これは、楽器の演奏能力の向上だけでなく、勉強や他の事にも役立ちます。
時々、左右逆にして生活してみて下さい。
左右の体のバランスを整え健康にも役立ちます。

    
2、テレビを見ながら練習しよう

 教育テレビのレッスンの講座を見なさいと言う事ではありません。
番組の内容は何でも構いません。スポーツでも、ドラマでも、ドキュメントでも。
誰でも上手くなりたい。しかし、あまり練習はしたくない。
又は、練習したくても時間が足りない。丁度、見たいテレビがある。
そんな時はテレビを見ながら練習して下さい。
通常の練習とは違った格段の効果があります。本当です。
但し、練習内容は基礎練習になります。管楽器だったらロングトーン。
弦楽器だったらボーイング、ビブラート。ギターだったらひたすらアルペジオとか。
基本的に目を使わなくて良い練習になります(目はテレビを見ている)。
テレビなんか見ないで真面目にやれ! いや、違います。
これには、二つの効果があります。一つは退屈な基礎(特に初心者が省略しがちな)
練習を長時間たっぷり練習出来ると言う利点があります。
実際、私はトランペットで岸田講座の教えにしたがってひたすらロングトーンを
吹きながら真面目(強調しておきます)なNHKスペシャルを見ていました。
そろそろ番組が終わりかけた頃音を高音に上げていったら、何と
10年間一度も出せなかった高音が自然に出てしまいました。
テレビを見ていたから高音が出た訳ではなく、テレビを見ていたから
退屈な練習を(同じ音をプーッと吹いているだけですよ)長時間出来たという事です。
もう一つの効果は、演奏時の神経回路を無心に出来ると言う事です。
大人はどうしても考えて、意識しながら練習します。それがぎこちなさとして残り、
固さが取れません。バイオリンは大人になって始めた人と、子供の頃から習っている
人とでは、ビブラートで直ぐに分かります。
幼児は余計な理論的な事を考えて練習していません。
つまり、テレビを見ながら(意識をテレビに向ける)練習する事により、幼児の練習状態を
体、神経に作り出すことが出来ます。
見るのは、本でも構いません。只、本はページをめくる時に手が必要になります。

   
3、立って練習しよう

 あなたはいつも座って練習していませんか?「今日は忙しかった・・」等とぼやきながら
椅子に寄りかかって、何となく、体を休めながら練習していませんか?
それでは無駄な時間を費やすだけで、上達しません。
立って練習をしましょう。
オーケストラの奏者は座っているではないか。ピアノ、チェロ、ギターは座らないと
弾けないではないか・・・。しかし、良く観察して下さい。ステージ上のプロ奏者で、
背もたれに寄りかかっている人は誰一人いません。
プロは椅子に座っていても上半身は立っているのと同じ状態で演奏しています。
楽器を演奏する、音をコントロールすると言う事は、指がどこかを押さえれば良い
というものではありません。
音を心の中で歌い、音を全身(特に腹筋)で支え、体全体で音を創り出します。
その代表例が声楽です。
勿論、オペラではステージ上にバッタリと倒れて歌う場面があります。
しかし、そんな時でも声楽家は腹筋を使い全身を使って歌っています。
楽器の演奏も腹式呼吸で演奏しなければいけません。
心と体を使って、呼吸と共に音を出す事を習得したプロは座っていても演奏が可能です。
しかし、何も分からないアマチュアが最初から座って練習していたのでは上達はしません。
音楽の真髄に触れる事も出来ません。注、楽器によって各人なりに工夫をして下さい。

    、毎日30分練習、土日に各2時間練習
     どちらが上手くなるか?

 残念ながら正確な答えを出すことは出来ません。しかし、幾つかの説明は出来ます。

どちらも重大な欠点があるという事です。

日々の練習には二つの問題があります。練習をしないと・・
 一、忘れる
 二、よみがえるのに時間がかかる・・
この二つの問題は間が空けば空く程、事は重大になります。
忘れるとか、甦るとかは知識の記憶ではありません。感覚、体の記憶、修練の事です。

 毎日30分の練習!
大変真面目なように感じますが、この場合は丁度前日の状態に感覚が戻って、これからが
本当に上手くなる時間帯に入る前に練習を終えてしまうことになります。
つまり、毎日準備体操をしているだけで、次の段階(上達)に進まない状態です。

 土日は一日2時間練習!
この場合は、ウォーミングアップを終えて上達という次の領域にまで入る事が出来ますので
時間量としては大変良いのですが、如何せん月曜から金曜までの五日間の空白を埋め
なければなりません。

これらの状況には年齢が大きく関係します。
幼児、子供・・・長い時間の練習は直ぐ飽きますが、体が覚えた事は非常に良く覚えています。
大人(特に年配者)・・・長時間の練習の忍耐力はありますが、どうにも体が言うことをきかない。

楽器による違いもあります。
意思が伝わり易い指先で表現する楽器は比較的ウォーミングアップは短くて済みます。
つまり毎日少しづつの練習で着実な進歩が期待出来ます。(例、ギター)
意思(意図)を伝えにくい唇を使う楽器は日頃使わない神経、筋肉を使う為、短時間の練習では
毎日練習してもさほど上達は期待出来ません。(例、トランペット)

 結論としては、平日は30分練習して、土日は2時間練習するのが一番上手くなるという事です。
しかし、現実には社会人には難しい話です。
でも、練習が出来ない日でも楽器をケースから出して手に取ってみましょう。
練習が出来る日は可能な限り何時間でも練習しましょう。
あなたは必ず上手くなります。

    5、仰向けに寝そべって練習しよう

 今日は疲れた。だるい、眠い、練習したいけどする気がしない。そんな時がチャンスです。
ゴロンと横になりソファーに仰向けになって練習をしましょう。素晴らしい練習が出来ます。

何故良いのか。

 無駄な力が抜けます。先生の音色は大変柔らかく綺麗な音がしますが、それは体から
演奏に必要が無い部分の力をすっかり抜いているからです。生徒は余計な所に力が入り
音を固く濁らしてしまいます。

腹式呼吸
 楽器によっては仰向け練習が出来ないかも知れません。その場合は、今弾いている旋律を
仰向けで声を出して歌ってください。そしてお腹に手を当ててみて下さい。
無意識に完璧な腹式呼吸をしているはずです。人は仰向けになると胸式呼吸が出来なくなり
必然的に腹式呼吸に変ります。立って練習すると難しかった音楽に絶対必要な腹式呼吸が
いとも簡単に出来るのです。手を当てて観察しているとお腹がポンプのように、息を吸い込んだ
時に膨らみ、歌うにつれてお腹が凹んでいく様子が良く分かります。但し、一つだけ注意する
事があります。音程が一気に下がる時にお腹を緩め弛ませない事です。一つのフレーズが
続く間は、お腹は膨らんだ状態から凹む方向へと動き続けなければいけません。
そして、高音で息のスピードが必要な時は凹む方向の力を強めて、低音で息のスピードを
遅くする時は凹む方向の力を弱くしますが凹む方向に動いている事には変りありません。
お腹がポンプですから息を吸う時だけ膨らみ、息を出している限りは低音になっても縮み
続けるわけです。高音と低音ではその縮む速度と圧力が変るだけです。
この仰向け練習はピアノや弦の人も必ず行って下さい。別なページで書きましたが、プロは
演奏中は必ず心の中で歌っています。そして、フレーズに合わせて呼吸をしています。

腹式呼吸の問題点
立って練習すると腹式呼吸がうまく出来ない原因は二つ考えられます。
一つはベルトです。ベルトが邪魔をしますのでみぞおち(おへその上)が膨らみ、みぞおちを
膨らませるのが腹式呼吸だと思ってしまいますが、これは誤りです。お腹全体、特におへそ
から下を膨らませます。みぞおちに力を込めると横隔膜の動きを止めますので腹式呼吸に
なりません。
ベルトは外すか大きく緩めて下さい。
もう一つは、自分の体の重心を把握しているかどうかです。重心(中心点)を認識していないと
うまく腹式呼吸が出来ません。
椅子に座る場合は次の事に注意してください。
 低い椅子に座る
 椅子に深く座る
この二つは絶対にダメです。下腹部が圧迫されて腹式呼吸が出来なくなります。
椅子に座るときは下腹部が自由に収縮する姿勢にして下さい。
(このページはまだ続きますお楽しみに)

    
6、自分を知ろう
 あなたはどうやって自分を知りますか。
鏡を見て?写真を見て?人と喧嘩した後に自分を反省した時?
 自分で自分を知るのは大変難しい事です。しかし、自分を知る事は大切な事です。
演奏でも、自分は下手だと思っている人のたどたどしい演奏は聴き苦しくないし
時には感動さえします。しかし、自分は上手いと思っている人の下手な演奏は
聴くに耐えず、滑稽でさえあります。

 哲学的な話はひとまず置いて、まず自分の音をひたすら聞いてみましょう。
曲ではなく単音を繰り返し出し、その音色を確かめましょう。
そして色々な音色を出してみましょう。音の立ち上がり、音の減衰も研究しましょう。
自分が気に入った音が出るまでやってみましょう。曲ではなくひたすら同じ音で確かめます。
この練習で絶対に必要な事は、
  <静かな所で練習する>
  <音が響かない場所で練習する>
ブラバンの練習場など自分の音が良く聞こえない所は絶対に不可です。
フローリング等響く部屋も適しません。床はじゅうたんでカーテンも閉めた方が良いです。
出来るだけ残響の無い生の音で研究します。勿論テレビは消します。
この、自分が気に入った音色を出す練習は演奏能力そのものも高めます。
試してみて下さい。

 気に入った音色が出せるようになったら、今度は自分の演奏を録音して客観的に
聴いてみましょう。

このページはまだ続きます。お楽しみに。

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           アルル音楽学園 夢をかなえる音楽教室 東京都新宿区 JR目白駅(豊島、池袋)